「中小企業の《経営論》」第5回:「トップダウン」と「ボトムアップ」のバランスと使い分け

制度・ビジネスチャンス コラム

トップダウンとボトムアップ、双方のメリット・デメリット
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 組織の運営、管理における「トップダウン」と「ボトムアップ」は、常に対比して語られます。あたかも二者択一のように取り上げられる場面を見かけますが、組織運営においては、その両方が一定のバランスで必要なことは言うまでもなく、どちらか一方しかない会社というのは、少なくとも私は見たことがありません。

 このトップダウンとボトムアップのバランスは、組織風土の多くの部分を作り上げています。どんな組織でも、最後に経営トップが意思決定するのは当然ですが、そのプロセスではトップダウン主体の会社もボトムアップ主体の会社もあり、その時のテーマによっても対応は異なります。この偏りはどんな会社でもあります。

 トップダウン主体の会社を見ていて、挙げられる課題として最も多いのは、「中堅リーダー、マネージャーが育たない」ということです。社長がトップダウン的な意思決定を下すことが多い中小企業の場合、特に顕著に言われます。

 この一番の理由は、はっきり言うと「社長がすべて決めるから」です。「私は部下に任せている」と言う社長でも、実質的な判断はほとんど任せていないということも多く、リーダーたちは、自分自身で考えることが習慣化されていません。

 例えば、会社に向けた提案を、「社長にお願いして……」という言い方をすることがあります。自分たちが主体的に行う「問題提起」や「提案」ではなく、相手に判断を委ねる「依頼」または「お願い」なのです。ノープランのまま、「どうしましょうか?」などと上の意向だけを聞こうとする人は、思いのほか多くの会社で見られます。

 リーダー、マネージャーが育たないという原因の多くは、実はトップダウン主体の組織風土にあります。

 一方、ボトムアップ主体の会社では、少し違った課題があります。

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《小笠原隆夫/ユニティ・サポート》

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