沿岸部の離岸堤復旧、遠隔操縦可能な水陸両用バックホウ登場

インバウンド・地域活性 ものづくり

作業船で施工できない海象条件が厳しい現場で有効
作業船で施工できない海象条件が厳しい現場で有効 全 1 枚 拡大写真
 青木あすなろ建設は、沿岸部の離岸堤を復旧する工事向けに、無線で遠隔操縦できる水陸両用の大型バックホウを開発した。水深2メートルまでの浅水域で使用可能。消波ブロックをつかみやすくするアタッチメントも搭載した。離岸堤まで仮設走路を設け、その上からクレーンで施工する方法に比べ、工期を短縮でき、作業員を減らすことにもつながる。東日本大震災で被災した福島県沿岸部の離岸堤復旧工事をターゲットに積極的に採用を提案していく。
 開発した「無線遠隔操縦式水陸両用大型バックホウ」は、コマツの油圧ショベル「PC800」がベース。上部と下部のフレームの間に筒状のパーツを設置することで、エンジンなど主要機構を水上に出し、最大作業水深2メートルを確保できる。
 総重量は85・3トン。バケットに替えて使うブロック把持アタッチメントは、上下方向と360度の回転が可能で、8トン型のブロックをつかんで据え付けることができる。
 初導入した現場は、福島県発注の「公共災害復旧(再復)工事(海岸)角部内離岸堤工事その1、その2」(施工=東北建設)。工期は15年10月14日~16年3月31日。離岸堤は消波ブロックを積み重ねた堤防状の構造物で、沖合約100メートルに位置する。工事では津波で飛散したブロックを回収し、新たなブロック(8トン)を据え付ける。
 作業・運搬用の仮設走路を造成し、クレーンでブロックを設置する方法では、走路を造るための捨て石などを用意する必要があるが、被災地では調達が難しい。海象条件が厳しく、作業船も導入できないため、水陸両用のバックホウが採用された。
 ブロックの運搬には、同社の水陸両用ブルドーザーを使用。ブロックを載せやすいように、アタッチメントを台座状に改良した。ブルドーザーからバックホウでブロックを受け取る。ブロックは計約900基。1日30基のペースで新しいブロックを設置したという。
 従来の方法では、仮設走路上をダンプトラックで走行し、クレーンまでブロックを運搬。ブロックをワイヤで玉掛けする必要もあるため、潜水士が据え付け後に潜ってワイヤを取り外さなければならない。
 同社は「水陸両用の重機の導入で、仮設工事をなくし、トラックのドライバーや潜水士も配置しなくて済んだ。工期も1カ月半から2カ月程度短縮できた」(担当者)という。

青木あすなろ建設/水陸両用大型バックホウ開発/水深2メートルまで作業可能

《日刊建設工業新聞》

編集部おすすめ

特集

PCサイトを見る