【地方発ヒット商品の裏側】家事のイライラを解消!…6万個以上売れた洗濯バサミ

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片手で簡単に干せる
片手で簡単に干せる 全 10 枚 拡大写真
 特殊な洗濯バサミ(クリップ)を使った物干しハンガー「いちどにありがとう」シリーズが2010年の発売から累計6万個以上を出荷するヒットとなっている。片手で簡単に干すことができ、取り込むときも一気に外せるという時短商品だ。

■開発の原点は、片手が不自由な人の役に立ちたい
 「物干しスピード約2倍」「取込みスピード約3倍」を謳う、いちどにありがとうシリーズの開発・販売を手がけるのはImage Craft株式会社(岐阜県美濃加茂市)。代表取締役の今瀬満氏は、放射線技師として10年ほど働いていたが、「幼い頃からモノづくりが好きで、その思いが募ってログハウスの業界に転職しました」と話す。

 ログハウスを通じて知り合ったのが、同社の取締役で、鉄工所を経営する山田史郎氏。「親友の母親が脳梗塞の後遺症で半身の自由が効かなくなって、洗濯物を口でくわえて干しているのを見ていたら、何とかしてあげたいと思いまして。そこで誰でも容易に干せるよう工夫したクリップを作ってみました。といっても試作品です。完成度が低く、私一人ではどうにもならないと思って、今瀬に相談したのです」。

 その試作品を見て今瀬はこう思った。「世の中にはいろいろなクリップや物干しハンガーが多く出回っているのに、両手を使えることを前提にしたものばかり。基本構造は昔からずっと同じ。それだけ完成された道具なのかもしれないが、果たして本当にそうなのか」と、山田氏と便利なクリップを作ることを決意した。

■支点が移動する「ありがとうCLIP」
 いちどにありがとうシリーズのポイントは、まず「ありがとうCLIP」と名付けられた特許取得のクリップにある。従来のクリップは、挟み口(作用点)が閉じた状態になっているが、ありがとうCLIPは逆。作用点が開いた状態になっている。その開いているところに洗濯物を持ってきて、親指と人差し指で作用点をつまむと(このとき洗濯物は手のひらと中指・薬指・小指で持たれた状態となる)、洗濯物が挟まれる仕組み。つまり作用点と力点が共有されている。しかも力点に力が加わわると支点が移動。すると力点が逆側に移動するのが、この商品のミソだ。
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《DAYS》

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