高速道路の車線規制に移動式防護柵、国内で初導入

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移動式防護柵の切り替え状況(米ニューヨーク)
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 東日本高速道路会社は、高速道路の本線の車線規制を伴う工事の安全対策の一環で、欧米など海外で実績がある移動式防護柵「Road Zipper System」を導入する。同防護柵の導入は国内初。このほど関連技術を保有する米国のLINDSAY社と試行導入に関する覚書を交わし、常磐自動車道の関連工事で活用することを決めた。4月上旬から8月上旬までの試行期間中に安全性や作業効率性、コストなど導入効果を検証し、今後の本格導入の可能性を探る。
 従来のラバーコーンなどによる車線規制では、一般車両が作業帯に侵入する事故を防止するのが難しく、作業員の安全確保に課題があった。侵入防止用の規制材を用いる場合、一般車両の交通への影響を最小化するため、規制材の設置・撤去作業の効率化・迅速化が求められる。
 今回導入するシステムはコンクリート製防護柵を、専用の防護柵切り替え用車両(BTM)で簡単、効率的に移動させることが可能。作業スピードは時速10~15キロ程度。道路の混雑状況に合わせて車線規制の範囲を自在かつ安全に変えられる。コンクリート製の防護柵を隙間なく連結させるため、作業員の安全性の向上が図れる。米国のほか、欧州の複数国でも高速道路の車線規制などで導入が進んでいる。
 東日本高速会社が新技術を試行導入するのは常磐道の「初石BOXはく落対策工事」。上り線の柏インターチェンジ(IC)~流山IC区間の車線規制の延長約4~6キロのうち、約2キロに移動式防護柵を適用。重交通路線での工事規制渋滞を軽減するため、交通量が減少する夜間の時間帯に、交通量に応じて片側3車線の通行帯を2車線または1車線に切り替える。
 現在行われているラバーコーンによる車線規制を新技術による規制に変更し、安全面や作業性の確認・検証を行う。
 BTMや防護柵については東日本高速会社グループがLINDSAY社からリースを受け、現地の設置・撤去作業もグループで一貫して行う予定。4月上旬の試行導入を前に、3月中にオペレーターの実地訓練を実施する。機械・システムが日本の現場条件などに適合するよう、同社とは技術改良の面でも協力していく。
 試行導入に当たり、東日本高速会社は警察や関東地方整備局などとも協議・調整を進めている。検証結果を踏まえ、実用化に向けた課題などを分析。国の関係機関などとも協力・連携して日本の高速道路への本格導入の可能性を判断する。
 同社の廣瀬博社長は「機材の調達やコスト面などの課題はある。工事中の安全はもちろん、さらなる展開も見据え、まずは使ってみて実用化の可能性を探る。コスト増にはなるだろうが、人命を第一に考え、使えるようにしていきたい」と話している。

東日本高速会社/移動式防護柵、国内で初導入/車線規制の円滑化・安全性向上へ

《日刊建設工業新聞》

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