【ITで強い商店街を作る:4】地域カードで商店街の垣根を越える

IT業務効率 コラム

MORIO-Jカードの加盟店頭での利用イメージ
MORIO-Jカードの加盟店頭での利用イメージ 全 4 枚 拡大写真
【記事のポイント】
▼既存のフェリカシステム採用で初期費用を抑える
▼回遊動向をビックデータ化し、広告宣伝を最適化
▼官民あらゆる決済をまとめたオンリーワンカード

■地域貢献に力を入れるイオンの電子マネー機能を搭載

 店を利用するとポイントが貯まり、そのポイントを電子マネーとして利用できるポイントカードは、全国各地で発行が相次いでいる。各店や各商店街、各ショッピングセンターが個別、独自に発行するのが一般的だが、2015年3月にスタートした「MORIO-J(モリオジェイ)」カードは、岩手県・盛岡地域の複数の商店街が連携し、どの商店街でも利用できる地域共通ポイントカードとして注目される。

 数年前から盛岡商工会議所では、商店街をはじめとした地域活性化に向けて議論を重ね、有力な施策の1つとしてポイントカードの導入を検討していた。数ある電子マネーのうち、候補の1つとして挙がっていたのは、流通大手のイオンが展開する電子マネー機能付きポイントカード「WAON(ワオン)」だ。

「電子マネーのうち、WAONは候補の一つで、盛岡でのシェアが最も高く、地域住民の利便性が高いと考えました。また、イオンは地域貢献に力を入れている企業で、地域協定を締結したのもその一つです。ほかの電子マネーサービスと比較し、決済手数料が低いですし。ポイントがイオンの買物で付与されないほか、ポイントで買物もできず、地域加盟店でのみ利用することにも了解いただきました」

 このように語るのは、MORIO-Jカードを運営する盛岡Value Cityの担当者。ポイントカードの導入にあたって、完全オリジナルのシステムを構築するのではなく、フェリカポケットマーケティングのシステムを使用することで初期費用を抑えている。なお、フェリカのシステムを採用した理由は、SuicaやEdyなど多数の電子マネーやICカードに採用されているほか、地域ポイントカードでも採用されているシステムだからとのことだ。

 事業の初期費用はシステム開発などで5705万円、ICカードリーダ2150万円のほかに、ポイント移行、各種情報発信などの用途の端末機10台を600万円で購入。これを加盟店に設置している。ポータルサイト構築費用一式で1244万円、PRイベント費用などで751万円を見積もった。

 ただし、システム開発費用、端末機購入費用の半額以上は「商店街まちづくり事業補助金」を、ポータルサイト構築費用、PRイベント費用などの半額は「地域商業自立促進事業補助金」をそれぞれ活用している。

■ポータルサイトと連携した新地域カードシステム

 盛岡では協同組合ジョイが「JOYカード」を発行していたが、MORIO-JカードはJOYカードのポイント移行を受け入れ。さらに、盛岡駅前商店街、中の橋通り商店会、盛岡本町振興会などの商店街にある加盟各店で利用できる。16年3月31日現在、加盟店舗数は195店、カード発行枚数は約8万3000枚。15年3月20日~16年3月31日のポイント付与数は約1956万8600ポイント、同使用ポイント数は約3178万8800ポイントにのぼる。

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《加藤宏之/HANJO HANJO編集部》

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