漫画『GIANT KILLING』に中小企業の組織マネジメントを見る

人材 コラム

中小企業の組織マネジメントの物語としても読める『GIANT KILLING』。サッカーを通して描かれる「組織における個人の有り方」は、違う業種の人間にも共感できるものがあるはずだ(「モーニング」(講談社) 2016年4/28号より)
中小企業の組織マネジメントの物語としても読める『GIANT KILLING』。サッカーを通して描かれる「組織における個人の有り方」は、違う業種の人間にも共感できるものがあるはずだ(「モーニング」(講談社) 2016年4/28号より) 全 1 枚 拡大写真
 最近、漫画雑誌「モーニング」(講談社)が発売される木曜日が待ち遠しい。

 30代を超えると青年漫画誌で描かれている恋や夢に思い悩む青少年の葛藤は、年々ピンとこなくなってきているが、年棒を切り口にしてビジネスマンとしての野球選手の人生設計をシビアかつコミカルに描いている『グラゼニ~東京ドーム編~』(原作:森高夕次、漫画:アダチケイジ)や、架空の私立中学にある投資部を舞台にお金や不動産をめぐる経済の仕組みについてわかりやすく絵解きする『インベスターZ』(作:三田紀房)といった「モーニング」の連載で描かれているお金や仕事にまつわる物語は、とても身近なものとして迫ってくるのだ。

 中でも中小企業で働く経営者・中間管理職の組織マネジメントについて、とても参考になるのがサッカー漫画『GIANT KILLING』(作:ツジトモ、原案:綱本将也)だ。

 本作はJリーグのクラブチーム・ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)の監督・達海猛を主人公に、プロサッカーの世界を描いた漫画で、現在40巻まで刊行されている。

 35歳の達海は元々、10年前にETUを引っ張っていた天才選手だったが、ある日、イングランドのプロチームに移籍するため海外に旅立ってしまう。達海がいなくなったETUは人気も実力も急落し、今では毎年残留争いを続ける弱小クラブへと転落。一方の達海も足を故障してチームを解雇され、その後行方知れずになっていた。そんな達海がETUの監督として復帰するところから物語はスタートする。

 ETUにとって達海は裏切り者。そのためキャプテンの村越茂幸を筆頭とする選手たちは達海のやり方に当初は反発する。しかし、一見デタラメともいえる達海の指導を受けるうちに選手たちは自分の弱点に気づき、一人、また一人と自分の殻を破って成長していく。

 見どころは何といっても試合場面。達海が敵チームのデータを研究し尽くした上で立てる大胆な作戦と、その作戦についていくことで成長する選手たちの活躍。そして、どのタイミングで選手交代をするのかといった監督同士の駆け引きに引き込まれる。

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《成馬零一/ドラマ評論家》

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