~外国人技能実習生:2~人手不足、海外進出の突破口になるか?

制度・ビジネスチャンス コラム

かつては自動車整備業が「技能実習2号移行対象職種」ではなかったため、1年を超えて受け入れを行った実習生は、塗装以外の業務を学ぶことができなかった
かつては自動車整備業が「技能実習2号移行対象職種」ではなかったため、1年を超えて受け入れを行った実習生は、塗装以外の業務を学ぶことができなかった 全 3 枚 拡大写真
【記事のポイント】
▼スキルを持つ外国人実習生が現場の即戦力に
▼実習生受け入れは人事ととらえ、責任者の目で選ぶ
▼実習生制度の先に見る海外進出のミライ


■慢性化した人手不足を救う外国人実習生

 16年4月、外国人技能実習制度における3年間の実習を可能とする職種として、新たに自動車整備が追加された。従来から許可されていた塗装業務に加え、今後は点検や車検にともなう整備などについても実習制度が適用される。では、制度改革は自動車整備業界にどのような影響を与えるのだろうか?

 そもそも、日本の自動車整備業者はこれまで、蔓延する人手不足に悩まされてきた。およそ20年に渡って伸び悩む修理単価と給与。それに加えて整備士の専門学校に通う生徒の目も、その多くは国内大手のディーラーに向けられ、中小の整備業者になかなか若手は入ってこない。

 その一方で車の技術が進化することで、現場の人員に求められる知識は変わりつつある。例えば、安全技術の進歩によって、車のあらゆる箇所にセンサーが搭載された。板金修理についても、かつてのスチールだけでなく、カーボン、アルミ、樹脂なども扱える技術が求められている。

 つまり、現場では確たる知識と経験を持つ数名の正社員とともに、彼らの指導のもとで不足する人手を補えるような人材が求められている。そこでウィンウィンの関係を築けるパートナーとして注目されているのが外国人実習生だ。

■実習生人事、大事なのは自分の目で決めること

 外国人実習生制度は日本の技術や知識を学ぶために、発展途上国の人材を事業者が受け入れるというもの。ここでいう実習生には、母国で専門学校に通っていたり、既に事業に関わっている者も採用できる。そのため、国内で全くの新人を雇うよりも、即戦力として期待できるというわけだ。

 事業協同組合として国内約500社の自動車整備業者が加盟する「BSサミット事業協同組合」で理事長を務める磯部君男氏によると、現地の送り出し機関が集める人材は、技術的には仕事を任すにあたり問題ないレベルにあるという。

「日本ではパーツ交換が中心ですが、アジア圏では故障した部品の修理が中心。その点では職人肌な人材が多いですね。実習の中で日本流のやり方、求められるクオリティをきちんと指導すれば大丈夫だと思います」

 なお、実際に実習生を受け入れるにあたっては、人事対応の社長などが自ら現地を訪ねることが大切だという。現地で工場やボディショップを借りて、板金や溶接など実際の作業を行わせる。その上で自分が選んだ人材だからこそ、3年間実習を積ませる責任が持てるし、現場の職人にも面倒を見るように話ができるというわけだ。制度を使った上での失敗談を聞くこともあるが、磯部氏によるとその多くは経営者の責任だという。

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《丸田鉄平/HANJO HANJO編集部》

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