■ニュース深堀り!■コンパクトシティー、地元企業に商機は?

制度・ビジネスチャンス コラム

地域活性化・まちづくりコンサルタント 水津陽子氏
地域活性化・まちづくりコンサルタント 水津陽子氏 全 3 枚 拡大写真
 少子化や東京一極集中などの動きにともない、地方からの人口流出が止まらない。都市部でも商店街がシャッター通り化するなど、空洞化が大きな問題になっている。その対策として、政府が地方都市における中心市街地の活性化を目指して推進しているのが「コンパクトシティー」構想だ。16年9月には「コンパクトシティー形成支援チーム会議」で、子育て施設の設置、クラウドファンディングを活用した空き屋・空き店舗などの再生推進が議論されている。

 そもそも、コンパクトシティーとは中心市街地に職・住機能を集約し、郊外や新開発地域に分散した人を呼び寄せようというもの。「中心市街地活性化基本計画」や「立地適正化計画」などのプロジェクトを元に、すでに2期、10年の活動が続いている。計画自体は全国各地で数百件が進んでおり、中心街の人の流入増や、観光誘致などに成功している事例もある。

 実は地元の駅前で行なわれている再開発の背景に、コンパクトシティー構想の計画があったというケースもあるだろう。第3期の実施が確定すれば、身の回りで構想にからんだプロジェクトが動き出すかもしれない。そのとき、街の商店、中小企業はどうなるのだろうか? 各地のコンパクトシティー構想を見て回り、その効果についての検証・分析を行なってきた、地域活性化・まちづくりコンサルタント 水津陽子さんに話を伺った。

■コンパクトシティー構想で街はどう変わる?

――コンパクトシティーにともなう計画では、具体的にはどんな取り組みを行なうのでしょうか?

水津 郊外への大規模店舗出店の規制緩和から、地方では駅前など旧中心街の衰退、ドーナツ化が問題になりました。コンパクトシティーはこの問題に対処するために始まったもので、プロジェクトは3つの柱で構成されます。

 ひとつは、公共交通機関の整備・強化、次に街中住居の整備、最後は人々のにぎわい拠点、主に商業地・商業施設の整備です。これにより、中心街の人口を増やし、買い物客や雇用も増やし、商店街のシャッター通りをなくそうというものです。

――公共交通機関の整備などは、自治体や行政の力が必要ですね。電車やバスの整備などが伴えば、施策としては効果が期待できそうです。

水津 実は、06年から構想にともなう取り組みを行なっている富山県や青森県ですが、これまで中心街の人口や歩行者数の目標はいまだ達成できていません。富山県では、駅前のデパートを再開発し、グランドプラザという広場をつくり、南北に分断された交通をつなげるライトレールという路面電車を新規に敷設しました。しかし、電車の乗客数の増加はありましたが、肝心の広場に人が集まらないといった課題があります。

 一方、青森では駅前の大型ビルを改装し、図書館などの公共施設、駐車場、ショッピングモールを整備しました。これも公共施設と駐車場の利用者は増えましたが、商業施設への集客がうまくいっていません。駅前、港湾地区に巨大な観光施設もつくりましたが、いわゆるハコモノ観光の限界か、現在のところ、入場者数の頭打ち、伸び悩みの問題を抱えています。

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《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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