富裕層インバウンドの法則その4

インバウンド・地域活性 コラム

増渕達也(ルート・アンド・パートナーズ 代表取締役)
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★法則4:助成金を活用する通訳案内士の連合が富裕層インバウンドを制す

 先日日本政府観光局(JNTO)に知人を訪ねた時のこと、なんと現在「通訳案内士」は17000人程度いるのだとか。個人的に調べたところ1年に1000人くらいずつ増えているようなイメージのようだ。あれだけ難しい試験なのに・・・これも時代の流れというものなのか。

 富裕層インバウンドが本格的になればなるほど彼らの存在感も増してくるはずだ、と私は常々考えている。なにせ、外国人の旅行ガイドは法制度上原則彼らしかできないのだから。特に地方や、自分の出身地の情報に強ければ強いほど今後の富裕層インバウンドツーリストに通訳案内士の資格は有利に働くと思われる。

 なぜなら成熟していくアジア富裕層は、また、東京や京都のような日本の主要デスティネーションを経験し終えた海外富裕層は、日本の地方の素晴らしい体験型コンテンツを求めるようになってくると予想されるからだ。特に日本の寿司文化に明るい海外富裕層には、その場でしかとれない魚の寿司などは大変なトラベルコンテンツになるはずだ。

 北海道や青森はもちろんのこと、長崎の五島列島や大分県、愛媛県などは、どこも真似のできない富裕層インバウンドにおける「ローカルスシオポチュニティ」を昔から持っていた、と言えるだろう。

 一方、MICEのラグジュアリー分野(当社ではLux MICEと名付けている)においては、思いもよらないプレーヤーが、既存事業の再生や新規事業で頭角を現してくることが予想される。貸会議室で有名なTKPが伊豆長岡の高級旅館「石亭」の再生に名乗りを挙げたのは記憶に新しいところだ。

 Lux MICEの分野においては、「旅行業」と自社を位置づけるのではなく、「グローバル集客業」と位置付けて事業を考えることのできるすべての産業にチャンスがあると踏んでいる。例えば、行政書士や司法書士は日本では公認会計士や弁護士、税理士などとの比較においては少しレベル感が劣ると思われている(実際はそんなことは全くない)が、どっこい、彼らの方がグローバルに弁護士などと事業上の提携に打って出やすい(事業拡大を考える人が相対的に多い、という特徴がある)という点では、新たな産業を興せる可能性が高い。なんらかのニッチな事業でグローバル連携しやすい業態であれば、Lux MICEのチャンスはすぐそこにあると考えてよいだろう。

 まさに貸会議室や登記の名義貸しを行っている会社などは、知らず知らずのうちに顧客ソースが膨らんでいるものだ。あとは同業とグローバルに提携を進めていけば、前述のTKPのような事業に打って出ることができるだろう。このLux MICEの分野でも最終的な勝者は通訳案内士となるはずだ。個人でなく団体なのだから、よりしっかりした通訳ガイドを、となっていくのは目に見えている。

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《増渕達也》

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