地方の行政官と話がしたい! 日南市のマーケティング専門官

インバウンド・地域活性 コラム

日南市マーケティング専門官 田鹿倫基さん
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■第2回 宮崎県日南市 マーケティング専門官・田鹿倫基さん

地方自治体と中小企業。ふたつを合わせてひとつの共同体というようなくくり方をすることがあります。実はHANJO HANJO も「地域が活性化するためには、中小企業が元気でなければならない」と考えています。ただそのふたつの間には超えがたい壁があったりして、なかなかうまくいかないことも事実。そんななか、ビジネスの活性化を切り口に、地域を目覚めさせている行政の人々がいます。連載「地方の行政官と話をしたい!」では、壁を乗り越え継続的な関係を中小企業と結んだり、新しい産業をおこすことに成功している自治体に焦点をあて、状況をリニューアルするために「行政官」は何を行ったのかについて話を聞きます。

第2回は、宮崎県日南市のマーケティング専門官、田鹿倫基さんです。地方の行政に「儲ける」というこれまでになかった領域が生まれています。田鹿さんは「儲ける」の先鋒となるマーケティングを導入するために日南市が置いたポストで次々とプロジェクトを企画。地元の中小企業とともに活動するなかで市に「外貨」を呼び込むことに成功しています。そしてマーケティングのプロとしてたどり着いた先は「人事」と「生産性向上」の必要性でした。

■マーケティングに縦割り行政は似合わない

ーー地方自治体の肩書きで「マーケティング専門官」とはあまり聞き慣れません。

田鹿 地方自治体として初めてではありませんが、かなり珍しい業種かもしれませんね。日南市では「儲ける」というテーマを崎田恭平市長のときに掲げました。儲けるためには市場分析が必要になります。そこでできた専門職がマーケティング専門官というわけです。(*崎田の「崎」は正しくは旧字体)

ーー行政が「儲ける」を正面から捉えるとは刺激的ですが、問題はなかったのですか?

田鹿 マーケティングとは極論すれば「ターゲティングする」ということです。つまり顧客をセグメントすることになる。行政はすべてを公平に扱うということを基本としていますよね。これまでの常識だとマーケティングという発想は生まれません。崎田市長が「市がマーケティングを行う」ことを公約して当選したことで、民間企業でマーケティングに携わってきた私にお声がけをいただきました。

ーー実際にはどんな仕事をされているのでしょうか?

私の仕事は「外貨」を獲得して地域に若者の雇用を生むことです。日南市以外から入ってくるお金のことをそう呼んでいます。観光産業やふるさと納税はもちろんのこと、農産物や工業製品による収入も含まれます。具体的には、企業との協業事業、農林水産業の振興、日南市全体のPRなどを行っています。

ーージャンルが異なる業界を担当していますね。よく言われる非効率な「縦割り行政」とは異なります。

田鹿 一般的に行政の管轄は業界ごとに分けられています。しかし、日南市のマーケティング推進室では、市の産業を「中」と「外」に分けて捉えています。同じ小売業でも地元の人を顧客にしているスーパーと観光客を顧客にしているお土産屋では地域経済の中では役割は違います。業界別の縦割り行政では同じ小売業になりますが、外向け、内向けを分けて考えると行政に求められる施策も違うわけですね。

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《加藤陽之/HANJO HANJO編集部》

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