地方の行政官と話がしたい! 日南市のマーケティング専門官

インバウンド・地域活性 コラム

日南市マーケティング専門官 田鹿倫基さん
日南市マーケティング専門官 田鹿倫基さん 全 4 枚 拡大写真
■企業の本音を聞きたければ、現場に足を運ぶこと

ーー外貨獲得の手段のひとつ、インバウンドについても話を聞かせてください。

田鹿 日南市を訪れる海外からの旅行者の特徴は「ディープな旅」を指向する3回目以上の来日層が多いという点にあります。個人旅行のできる、富裕層の欧米系、台湾・韓国系です。「東京も飽きた、京都大阪も飽きた、福岡だって飽きた。もっと田舎に行きたい」ーーそんな時に浮上するのが日南市なんです。飫肥城(おびじょう)城下町の武家屋敷を民間企業に委託して一棟まる貸しの宿泊施設に改装中なのですが、オープン前からとても人気があります。インバウンドには大きく二つの意味があると思っています。ひとつは地域に金を落としてくれること。もうひとつは商売が地域に生まれるということです。

ーーところで、中小企業や飲食店などのサービス事業者にとって、行政は身近な存在なんですか?

田鹿 他の行政職員の方と情報交換していると「なかなか企業の人が市役所に来てくれない」と悩んでらっしゃるケースがあるんですが、やはり市側から出向いたほうがいいと思っています。逆に企業が市庁舎に足を運んでくれるのは入札や補助金のときだけなので、本音で話してもらえないんですよね(笑)。もし市庁舎に来てくださっても、アウェイな雰囲気ではなかなか密度のある話はしてくれませんから。私たち行政側が相手のホームである会社を訪れる方がいい結果をもたらします。従業員の顔も見られるし、圧倒的に得られる情報量が多いですからね。

ーーマーケティング専門官の目から見て、ビジネスを考える上で日南市の行政のいい点は何だと思いますか? 

田鹿 「民間との付き合い方がうまい、意識の壁が低い、よく官民で飲み会をやっている」(笑)。官民の協調には地域の歴史風土が関係しているような気がします。日南市は江戸時代、5万1千石の小さな藩でした。隣には強大な藩である薩摩藩がいる。有事の時は身分や立場なんか言ってられなかったんです。ひとたび事が起これば一緒に戦う。お祭りも一緒でした。そんな地域としての一体感が文化として根付いているんです。いまは少子高齢化で地域の存続は危ぶまれている「大有事」ですから、昔、身分を超えて一致団結したように、今は官民の垣根を超えて一緒に戦っている最中です。


●プロフィール
田鹿倫基(たじかともき)さん
1984年生まれ。2009年宮崎大学卒業、同年リクルート入社。アドオプティマイゼーション推進室でネット新規事業開発に関わる。2011年アドウェイズ上海法人を経て、2013年に日南市マーケティング専門官に就任。自治体のPR活動、から企業誘致まで幅広い活動を担う。


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《加藤陽之/HANJO HANJO編集部》

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