サービス業のIT利用最前線!3 手元のスマホを“高機能・多言語メニュー”に

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(宿泊施設の利用フロー:2)メニューは専用タブレットで作成する
(宿泊施設の利用フロー:2)メニューは専用タブレットで作成する 全 6 枚 拡大写真
【記事のポイント】
▼多言語対応のメニューなど外国人観光客に幅広く対応
▼IoTデバイス「ビーコン」で“使えるデジタルメニュー”の実現
▼お客だけでなく店舗側にもメリットがあることが重要


 インバウンド需要の拡大、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックといった要因から、「おもてなし」がキーワードとして注目されている。さらに、IT/IoTを活用した「おもてなし2.0」とでもいうべきサービスや製品が、飲食業・旅行業・物販業の領域で、多数登場しつつある。本記事はそうした最新事例を紹介し、自社での導入の参考とする内容だ。

 今回は、ボクシーズ株式会社が展開している「Putmenu」(プットメニュー)に焦点を当てる。「Putmenu」は、利用者のスマートフォンに、オーダー用のメニューを配信し、そこから料理などの注文を可能とするサービスだ。飲食店を想定しているが、宿泊施設のルームサービスなどにも応用できる。さらに、注文管理、ユーザー管理、配膳管理など、複数フェイズで利便性が向上する仕組みを用意している。多言語対応も可能で、全体として非常によく練られたサービスと言えるだろう。同社セールスプランニング部の瀧野瀬裕介氏に話を伺った。

■外国人観光客に幅広く対応、きめ細かなサービスの数々

 「Putmenu」では、まずユーザーは専用アプリをダウンロードする必要がある。このアプリは、飲食店の情報紹介サービスを兼ねており、ここから近隣の飲食店(Putmenu導入店)を検索し、さらにはメニューを見て、実際の食事をオーダーすることが可能となっている。オーダーは、ECサイトの使い方と同様で、注文をカートに加えていく形式となっている。最後にオーダーするボタンを押すことで、注文が完了だ。

 飲食店に到着する前にカート追加はできるが、店舗外にいる場合は、オーダーするボタンが有効にならない。ビーコンを活用しており、「着席して初めて正式なオーダーとして処理可能になる」(瀧野瀬氏)という。これにより、誤発注やいたずら発注を防止している仕組みだ。予約注文ではないため、店舗の運営も変わらない。ビーコンのアンテナには、シート状のIoTデバイス「PaperBeacon」(ペーパービーコン)を利用しており、数センチの距離で通信を行う。これによりテーブル範囲での区別が可能となっている。

 ユーザーに対して表示されるメニューは多言語対応となっている(英語、日本語、簡体/繁体中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、タイ語、カンボジア語、ベトナム語)。それぞれの言語で「席に来てください」「会計をお願いします」等の用件を表示し、それをタップして伝えることも可能だ。用件の自由入力にも対応しており、入力内容は日本語に自動翻訳される。簡便な「呼び鈴機能」も用意されており、メニュー内の「呼び鈴」ボタンをタップすることで、スタッフを呼ぶこともできる。

 その他メニュー表示においては、独自情報を掲載できる。アレルギーに関する情報を登録し、メニュー内で注意を促すこともできる。「外国人のお客さまに向けて、お通しなどの料金体系を説明しておくこともできます」(瀧野瀬氏)とのことで、このへんは通常のメニューの使い勝手と変わらない。

 受け付けたオーダーは、専用の小型プリンタでテーブル番号(宿泊施設の場合、部屋番号)とともに印刷され、そのレシート状のプリントアウトを元に、厨房へのリクエストが完了する形だ。発注履歴自体は、デジタルデータとしても保管される。

 シャープが提供するPOSを利用している店舗の場合、店員が持つハンディターミナルで注文を取らなくても、注文業務が可能だ。来店客のスマホが仮想のハンディターミナルになり、来店客自らが注文するようなものだ。従来のオペレーションを変えずに、店員の労力を削減できる。

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《冨岡晶/HANJO HANJO編集部》

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