2018年の診療報酬改定、生き残りのカギはICT活用/国際モダンホスピタルショウ

IT業務効率 コラム

「国際モダンホスピタルショウ2017」。病院をはじめ、保健・医療・福祉分野における最新の機器、製品、システム、サービスなどを展示する国内では最大級のイベント
「国際モダンホスピタルショウ2017」。病院をはじめ、保健・医療・福祉分野における最新の機器、製品、システム、サービスなどを展示する国内では最大級のイベント 全 4 枚 拡大写真
【記事のポイント】
▼医療従事者の人材不足や財政の面から注目を集める2018年の診療報酬改定
▼IT・ICTに関するスキル、最低でもPCを使えなくては生き残ることはできない
▼シームレスに患者の情報を共有できる電子カルテの導入は必須
▼IT・ICTの技術を扱える人材育成が必要


 2017年7月12日~14日に東京ビッグサイトにて開催された「国際モダンホスピタルショウ2017」。病院をはじめ、保健・医療・福祉分野における最新の機器、製品、システム、サービスなどを展示する国内では最大級のイベントだ。今回の取材では、特にIT・ICTの利用で効率的な業務遂行を可能にする施策について2回に分けて関連するセミナーを紹介する。

 今回は、セミナー『2018年改定に向けて、医療ICT最新トレンド~制度を理解し、医療現場のニーズとICTを上手に組み合わせる方法~』(講師:MICTコンサルティング 代表 大西大輔氏)からの要約をお届けする。

 団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)へと移行し、国民の3人に1人が高齢者、5人に1人が後期高齢者となるいわゆる「2025年問題」。それに対して、医療従事者の人材不足や財政の面からも注目を集めているのが2018年の診療報酬改定だ。改定の前に知っておくべきポイントとは何なのだろうか?

■IT導入で医療事務員は必要なくなる?

 ITの進化により、多くの病院で自動受付機や自動精算機の姿を見かける機会が増えている。このような事務作業はコンピュータの一番得意とする部分であり、業務効率化のためには欠かせないものであると言えるだろう。

 これらのIT機器の導入により医療事務員が必要なくなるという見方もある。都市部を中心に展開しているビジネスホテルグループではコンピュータによる自動受付・自動精算を導入した結果、従業員を15~20%削減することに成功したという事例もあり、業務効率化が求められている医療事務の現場では、今のままでは人員削減の憂き目に遭うことは避けられない事態と言えそうだ。

 では今後医療事務員に求められるものは何か。今後ますます普及の広がる電子カルテなどITに関するスキル、最低でもPCを使えなくては生き残ることはできないだろうと大西氏は話す。

■電子カルテは宝の山

 電子カルテの普及率は2016年の時点で約30%。複数の医療機関や施設・地域などでシームレスに患者の情報を共有することが可能な電子カルテの導入はICT(情報通信技術)を活用するために必須だと大西氏は語る。

 ただしただ単に電子カルテを導入するだけでは全く意味がない。電子カルテはデータマイニング(大量のデータからその中に潜んでいる有用な情報を見つけ出す技術)することにより“宝の山”に変えることができる。そのためには病床数などの経営データや、疾患ごとにどれくらいの患者数がいるかを把握できるなど、さまざまなデータの入力・整備が必須となる。収集したこれらのデータを正しく分析することができれば、症状に応じた適切な治療や新薬の開発など、医療分野においてプラスとなる効果が期待できる。

 またこれらの電子カルテをクラウド化することができれば、場所や端末を問わずに患者情報を一元管理することも可能となる。これにより中小規模の病院をハブとして特養・老健や訪問看護ステーション、地域の診療所と連携する地域連携ネットワークを構築することも可能になるはずだ。

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《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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