清水建設、経年ビルの取得再生事業に進出/最新性能付加し物件価値を最大化
制度・ビジネスチャンス ニュース

同事業では、清水建設が対象となる建物を取得した上でスキームを組み立て、リノベーション工事の計画から設計、施工を手掛ける。リノベーション後のビルマネジメント業務もグループ会社が担当し、物件価値の維持・向上を図る。自社施工の既存ビルを中心に、年間3~5件の事業化を目指す。
初弾の「DSBグループ潮見ビル」は3月に信託受益権を取得。一棟借りの既存テナントが入居した状態で、来年1月までリノベーション工事を進める。
工事ではBCP強化や省エネルギー化、健康・快適性の向上を柱とした大規模改修を実施。BCP強化では非常用電源・空調・給排水の72時間対応や天井などの非構造部分の耐震化、水害対策、省エネ化では照明器具のLED化やトイレの節水対応など、健康・快適性ではトイレや給湯室の更新、シャワー室の新設などを行っている。
リノベーションによる建物価値とテナント満足度の向上によって、同ビルはテナント企業と新たに長期賃貸借契約を締結できた。さらに同ビルの信託受益権はヒューリックに売却済みで収益を得ている。
同社は10年に策定した長期ビジョンで、建設業に次ぐ第二、第三の柱を目指す重点分野に「サステナビリティ事業」と「ストックマネジメント事業」に設定している。今後、両事業を融合したサステナビリティ・リノベーション事業を注力事業の一つとして展開する方針だ。
清水建設/経年ビルの取得・再生事業に進出/最新性能付加し物件価値を最大化
《日刊建設工業新聞》