売上1億円のカベ、10億円のカベってなに?

制度・ビジネスチャンス コラム

李 日生(プレジデントタイム株式会社 代表取締役)
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 世の中、独立開業してまずは会社を設立する方、個人事業主で開業してから法人成にする方(法人成のタイミング・損得については別の機会にお話しします)がいます。独立開業した後はひたすら売上を伸ばすことに注力するのが企業活動であり会社の原動力なので、極めて当然の話です(もしこれができないのであれば市場から退場せざるをえません)。

 売上を伸ばし人を増やしている最中、売上の伸びが鈍化する・止まってしまうという状況に陥ることがよくあります。一概にはいえませんが、ほとんどの業種で1億ほどの売上になると、カベにぶちあたったかのように会社の成長が感じられなくなるといった悩みをよく聞きます。

 原因は経営者の時間配分がうまくできていないからです!

 企業が成長するためには、立ち上がりの組織ができあがるまでの数年の間、経営者(経営陣)のマンパワーに依存せざるをえません。それが企業成長の原動力となるからです。しかし、売上がある程度いくと営業部隊だけではこなせないような業務量になり、管理部門が必要になってきます。ここでよくあるのが、トップ営業マンである経営者が管理部門の多くをこなしてしまうことです。もっと営業に注力しなければならないにもかかわらず、営業の時間がどんどん取れなくなってしまうことが成長の鈍化を招くのです。

 さらなる飛躍、カベを打ち破るためには経営資源を再分配(人と経営者の時間の調整)して、成長すべき分野に自社の強みを集中させるべきなのですが、多くの会社では経営者もしくは腹心(ナンバー2)が管理部門に埋もれて時間が有効に使えなくなってしまっています。

 ・自社の強みであるサービスや商品をよりいいものにする
 ・新しいサービスや商品を開発する
 ・新規販売先を開拓する
 ・情報を収集する

 これらは中小企業経営者自身が創業時にもっとも時間を使っていた作業だと思います。会社の成長が止まっていると思う方は、今どれだけ自分の時間を費やせているか見返すことにより、カベの突破になにが必要かが見えてくるのではないでしょうか。

 現在の日本は、加速する世界経済の流れのなかで、下降するエスカレーターに乗っているような状態です。高度成長期以前のように何もせず全体に身を任せているだけでは、企業は時代に取り残されて下降の波にのまれてしまいます。いま、日本の中小企業経営者には「危機感」が求められています。


●プロフィール
李 日生(り はるき)
プレジデントタイム株式会社 代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、公認会計士試験合格、監査法人トーマツ国際部に入社・配属。国際企業(商社・通信事業会社・運輸会社等)の連結会計やM&Aを担当、中小企業の経営コンサルティングも数百社経験する。現在はプレジデントタイム株式会社、神宮前アカウンティングファーム株式会社、株式会社H HOLINGS、有限会社ルーベ、神宮前会計を主宰。会計・税務・経営・飲食・不動産等、実際の経営者として代表取締役視点で多岐に及ぶ経験を重ねている(「頭でっかちの机上の空論が大っ嫌い」を自認)。近刊に『忙しい社長を救う経理改革の教科書』(幻冬舎)がある。


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《李 日生》

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