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人材 コラム

映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』2017年11月11日 全国ロードショー([c]2017「HiGH&LOW」製作委員会)
映画『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』2017年11月11日 全国ロードショー([c]2017「HiGH&LOW」製作委員会) 全 4 枚 拡大写真
 ダンス&ボーカルグループEXILE TRIBEや三代目J Soul Brothersが所属する芸能事務所LDHが中心となって展開している『HiGH&LOW』(以下、『ハイロー』)というプロジェクトをご存知だろうか?

『ハイロー』はドラマ、映画、LIVE、漫画、SNSといったジャンルを横断しておこなわれている世界初の総合エンターテインメントプロジェクトである。

 物語の舞台は「SOWRD地区」と呼ばれるエリア。その地区一帯を制圧したバイクチーム・ムゲンの解散後に生まれた5つのギャングチーム、山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家の戦いを中心に描いた群像劇だ。

 まず圧倒されるのは、破格の登場人物を動員した派手な抗争シーンとビジュアルの豪華さだろう。

 元々、本作は深夜ドラマ『HiGH&LOW~THE STORY OF THE S.O.W.R.D~』(日本テレビ系)からスタートしたのだが、第一話冒頭の複数のギャングチームが入り乱れて繰り広げられる喧嘩の場面と、徹底的に作り込まれた荒れ果てた学校や町並みの美術に圧倒された。

 日本の深夜ドラマというと、どうしても低予算のこじんまりとしたものが中心となってしまう。ましてや、アクションをやるのは夢のまた夢という状態だったのだが、EXILE TRIBEというダンサーが中心のグループが中心となることで、次々と不可能を可能にしていったのだ。

 展開される物語も破格である。

 物語の中心にいるのは山王連合会のコブラ(岩田剛典)とヤマト(鈴木伸之)なのだが、本作は全員主人公を謳っていて、実際にそれぞれの登場人物に見せ場が用意されている。

 SOWRD地区を束ねる5つのチームの他にも複数のギャングチームやSOWRD地区を狙う反社会的組織・九龍グループといった多数のキャラクターが登場し、人間関係が複雑に入り組んでいるため、物語としての『ハイロー』はとてもわかりにくい。

 しかし、それは旧来のドラマやアニメのように、画面で起こっていることすべてを理解しようとするからだろう。そうではなく、自分の好きなキャラクターやギャングチームを野球やサッカーといったスポーツのチームや選手を応援する感覚で楽しみ、見るポイントを自分で決めていくと、だんだんその魅力がわかるようになってくる。

 そもそもEXILEのMVを撮影していた久保茂昭が監督を務めていることもあってか、ストーリーが理解できなくても、最先端の音楽とファッション、そして先鋭的なアクションとビジュアルがものすごい物量で押し寄せてくる。そのため、豪華なMVを見ているように楽しむことができるのだ。

 だから筆者は本作を人に進める際には「ストーリーがわからなくても、まずは映像を、スポーツやライブを見ように楽しんでほしい。そのうち登場人物の見分けがつくようになってきたら、ストーリーはいくらでも楽しめる」からと言うようにしている。

 こういった大きな枠組みを見せる作品は漫画やアニメでは多数作られていたが、実写でここまで大規模に展開されるというのは異例のことだろう。

 また、各ギャングチームのビジュアルイメージにはヤンキー漫画の『クローズ!』や映画『時計じかけのオレンジ』といった古今東西の不良モノ、アクションモノがモザイク状に組み合わされており、見ているとついつい元ネタを探したくなってしまう。

 そういったオタク的消費をしても楽しめるため、昨年公開された劇場版第一作『HiGH&LOW THE MOVIE』以降はEXILEファンだけではなく漫画やアニメが好きなオタク層も『ハイロー』ワールドに参入してきており、日々勢力は拡大している。

 今年の夏には劇場版第二作となる『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』が公開。そして11月には劇場版第三弾となる『HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION』の公開を控えている。現時点での物語は今作でクライマックスとなるようだが、今作で芽吹いたアクションをベースに置いた実写作品の流れは今後も広がっていくはずだし、海外展開も十分にありえる。


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《成馬零一/ドラマ評論家》

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