「利益剰余金」を見よ! あなたの会社の実態がここにある・・・

制度・ビジネスチャンス コラム

北岡修一(東京メトロポリタン税理士法人 統括代表)
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「会社を設立してから現在まで、あなたの会社の利益の累積はいくらですか?」

 この問いに、あなたは即答できるだろうか。

 これを知るのは簡単だ。決算書の内、貸借対照表の右下、純資産の部の中にある「利益剰余金」を見ればいい。あなたの会社の利益剰余金はどうなっているだろうか。その金額を是非、確認してほしい。利益剰余金の中には、「利益準備金」や「別途積立金」、そして「繰越利益剰余金」などがある。これらの合計が、利益剰余金だ。

 この利益剰余金の数字は、会社を設立してから今までの利益の累積を示している。正確には、利益から法人税等を支払い、かつ配当金などを支払った後の利益の累積である。いわゆる「内部留保」した利益の累積が、利益剰余金ということである。

 改めて、この金額を見てみてほしい。どう思うだろうか・・・? この金額は、この会社を設立してから今までの利益の累積であり、あなたが必死で頑張ってきた結果でもある。

 この金額を見て、あなたは多いと思うだろうか。それとも、少ないと思うだろうか。「よくやってきた!」と思える額であれば、大変すばらしいことだ。「これからも、さらに頑張っていこう!」と心から思えるだろう。

 しかし、「設立から10年以上経っても、たったこれだけの利益しかないのか・・・」と愕然としてしまう経営者もいるはずだ。「懸命にやってきたはずなのに、ちょっと情けないな」とうちひしがれている暇はない。利益剰余金がなぜ少ないのか、その理由を考えてみてほしい。そこには次のようないくつかの理由が考えられるはずだ。

●実際に、ずっとあまり儲かっていなかったのか・・・?
●それなりに儲かっていたが、いろいろ節税をしたので、内部留保ができなかったのか・・・? (これも、儲かっていないということではあるが・・・)
●配当金や役員賞与(社外流出)を多くしてきたので、内部留保がないのか・・・?

 いかがだろうか。いずれにせよ、この<利益剰余金=内部留保>こそが、会社の自己資本を充実させ、いざというときでも潰れにくい、強い会社にしていく原資になるものだ。さらには、ここぞという時の事業投資にも使える原資になるのである。なぜならば、利益剰余金は自らが生み出した、誰かに返す必要がまったくない、自己資本というお金であるからだ。

 設立から相当年数が経っているのに、利益剰余金が少なくてちょっと情けないな、寂しいなと思った方、「こんな状況はやはりおかしい!」と真剣に考えるべきではないか? 設立からの年数で利益剰余金を割ってみれば、本当にそう思うだろう。

 これまであまり貸借対照表の数字など、見て見ぬふりをしていたのであれば、現実から目を逸らさずに危機意識を持つべきだ。もっと自己資本を充実させて、「潰れにくい会社、強い会社にするんだ!」と、心から強く思ってほしい。そのような気持ちを持つことが、「儲かる会社・強い会社」へ切り替わっていくきっかけになるはずである。


●北岡修一(きたおかしゅういち)
東京メトロポリタン税理士法人 統括代表。25歳で独立以来、税務会計業務を基本としつつも、経営診断、人事制度の構築支援、システム導入支援などコンサルティング業務にも携わってきた。現在は「会計理念経営」を掲げ、「会計を良くすると、会社が良くなる!」をモットーに、誠心誠意、中小企業を支援している。主な著作に『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)、『事業の引継ぎ方と資産の残し方・ポイント46』(共著/あさ出版)がある。


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《北岡修一》

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