熱狂的ファンを生み出すヤッホーの戦略とは?/熱狂ブランドサミット2017

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株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手直行氏。「ファンに喜んでもらうことができれば売上は後からついてきます」
株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手直行氏。「ファンに喜んでもらうことができれば売上は後からついてきます」 全 3 枚 拡大写真
 さまざまな業種・業態のマーケッターが一同に介し「顧客を感動・熱狂させるブランド体験」や「熱狂的な顧客がもたらすマーケティング効果」についての議論や考察が行われる『熱狂ブランドサミット2017』(主催:株式会社トライバルメディアハウス)が2017年10月24日(火)ベルサール九段にて開催された。

 今年で2回目となる本イベントでは、マーケティングだけでなく経営戦略や企業のカルチャーづくり、ブランディングにまでテーマの幅を拡げ、顧客や従業員を感動・熱狂させるための課題について多数のセッションが行われた。

 今回は『熱狂的ファンを生み出す熱狂社員の育て方。ヤッホー流熱狂経営術の秘訣に迫る』~講師:株式会社ヤッホーブルーイング よなよなエール"愛の伝道師"兼 代表取締役社長 井手直行氏、株式会社トライバルメディアハウス 代表取締役社長 池田紀行氏~より、どのような経営が熱狂的ファンを作りだしたのかを、井手社長自らの言葉で振り返る。

■ビールがおいしいだけで売れる時代は終わった

 講師の井手直行氏が代表取締役社長を務めるヤッホーブルーイングは、「よなよなエール」や「水曜日のネコ」などのクラフトビールを製造・販売する会社だ。クラフトビールでは国内シェアトップ、またヤッホーブルーイングが開催するイベントには1000人から4000人ものファンが集まるという。

 なぜヤッホーブルーイングはこれほどまでに多数のファンを動員できるのだろうか。その秘訣について井手氏は「お客様に喜んでもらう、感動を届けるために面白いことをやることです」と言い切る。

 ヤッホーブルーイングの創業は1997年。当時営業担当だった井手氏は「いくらセールスしても売れない時代で、創業8年は赤字続きでした。そこで無理に売ろうとせず、せめてホームページを見てもらおうと色々と面白いことをした結果、お客様が喜んでくれるようになりました。それと同時にビールを買ってくれるようになりました。まずはお客様にとってのベネフィット(利益)を考えることが大事だったのです」と語る。

 そこからビールを中心としたイベントを企画したところ、多数のファンが殺到。イベントを楽しんだファンはリピーターとなるだけでなく、ネット販売の半分を占める「よなよなエールの年間契約」(72,000円/年で毎月24本のビールが送られてくる)になることも多いという。

「ビールを中心としたイベントですが、ビールだけではない色々な体験、例えば他のファンやヤッホーブルーイングの社員とつながる、仲間になるというのがファンにとって大きなベネフィットとなっています」と井手氏は話す。

「井手さんがいつも言うのは『ビールがおいしいだけで売れる時代は終わった、おいしくて楽しいビールをつくるんだ』です。私もヤッホーの年間契約をしていますが、ビールを飲むとイベントを含めたブランド体験と一緒に何となく幸せな気持ちになれます。これは他のビールにはない感覚です」と池田氏は語った。

■ヤッホーブルーイング、12年連続増収増益の秘密

 ヤッホーブルーイングは12年連続増収増益という好調を見せている。この背景にはいったいどのような秘密があるのだろうか。

「例えば年度の始めに『売上40%の成長』という目標を立てます。実はこれは必達の目標ではないのですが、達成するくらいの意気込みでお客様が喜ぶように考えて行動をします。社員が一丸となって目標に向かって行動をするので、売上40%の成長は達成できなくても増収増益という結果はついてきます」と語る井手氏。

 しかし社員をそこまで行動に駆り立てることなど可能なのだろうか。このことについて井手氏は「来年の戦略なのですが、社員満足度(働きがい)で米国のザッポスを超えることを目標にしています。ザッポスといえば社員満足度の高い会社として有名ですが、それを超えたい。日本一社員が楽しく働ける会社です。社員が楽しそうじゃないとお客様は喜びません。日本のビール文化を変えたいと思っても、その前に社員が自社の製品に熱狂していないと上手くいきませんからね」と話す。


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《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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