沖縄の離島、“おばあ”運営の「山里ゆんたく市場」が生まれ変わる

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沖縄の離島、“おばあ”運営の「山里ゆんたく市場」が生まれ変わる
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 沖縄県の離島、久米島町で60代の“おばあ”が運営する直売所「山里ゆんたく市場」が生まれ変わろうとしている。後押しするのは20代の若者。利用者を従来の地元住民だけでなく、観光客にまで広げようと、地元産のパイナップルや紅芋を使ったアイスクリームを開発した。若者の発想に刺激を受け、加工品づくりに奮闘。生きがいを感じる出荷者が増え、店は活気づいている。
素材生かした経験がヒント
 2017年8月に登場した手作りアイスクリームは、総務省の事業「地域おこし協力隊」として町にやってきた小宮山純さん(26)が手掛けた。一般的に紅芋アイスでは乾燥粉末を使うことが多いが、「小宮山流」は芋をゆでて裏ごしし、素材の味をしっかり引き出す。甘味も蜂蜜で付ける。素揚げした紅芋チップスを添え、島の人だけでなく、舌が肥えた観光客も認める完成度だ。

 「地域には評価されるべきいい素材がたくさんある。それをうまくPRするのが若手の役目だ」と断言する小宮山さん。 地域おこしのノウハウは、木の葉を料亭向きの添え物として販売する「葉っぱビジネス」で有名な徳島県上勝町で学んだ。17年春まで同町に滞在し、「葉っぱビジネス」を展開する「いろどり」に勤務。お年寄りたちがスマートフォンで注文を受け付け、高値の付く葉を手際よく出荷する姿を目の当たりにして、こうした成功例を他の地域でも広めたいと決意。今は町の地産地消推進担当として勤務する。

 山里ゆんたく市場は16年、地元の農家など7世帯が合同会社として立ち上げた。町で唯一の農産物直売所だ。60世帯が出荷する。住民なら野菜1束からでも出荷でき、売り上げの8割が個人の収入になる。JAおきなわのAコープ以外、大型食品店がない町で地元客をつかんでいたが、小宮山さんは「観光客まで視野に入れた店構えにする必要がある」と考え、新商品開発を出荷者らに打診した。
出荷者に刺激 商品工夫次々
 運営者の一人、比嘉絹江さん(66)は、小宮山さんの奮闘ぶりを目にしたことで、出荷仲間に「“外貨”を獲得するチャンスが増えた。もっと工夫してみようというムードが高まった」と話す。比嘉さんらは新たに、島のバジルを使ったパスタジェノベーゼを期間限定で販売。“島一おいしい”と自認する手作りサーターアンダギーや、その場で食べられる久米島そばの提供に力を入れる。

 ゆんたくとは沖縄の方言で、おしゃべりの意味。町企画財政課の宮里学主任は「外から来た若者の力が、高齢者が生きがいをうまく引き出した。今後も互いに協力して店をにぎやかにしてほしい」と期待する。(木原涼子)

離島の直売所 若者けん引 観光客視野に加工品提案 紅芋アイス好評裏ごしで本格派 沖縄県の久米島町「山里ゆんたく市場」

《日本農業新聞》

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